ジオメトリー、スタックとリーチの話

2021年11月12日

ハンドルまでの距離はTT長じゃなくてリーチ

どうも、ホイールを除く30万円以下で軽量ディスク車を作る計画が着々と進行中のてり~です。昨日、「ELVES VANYAR Discを注文した話」というブログを公開したところ、私のジオメトリーの理解について早速大先輩方からご指摘がっ!

ELVES VANYAR Discを注文した話 | キャノンボーラーに憧れて
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ELVES VANYARについて情報収集 どうも軽量化的な機材厨に目覚めた男てり~です。前回、高級車から中華フレームまで色々なフレームの重量を比較してELVES VANYAR D…
https://becannonballer.com/2021/11/10/post-496/

↑まだ読んでない方はこちら

当初、CARRERA TD-01 AIRとELVES VANYARのTT長(トップチューブ長)だけを比べて、TD-01 AIRは545 mm、VANYARは535.1mmだったので、VANYARの方が10 mm短いと思い10mm長いステムを買わなければと考えていました。(当該箇所は訂正済み)しかし、見るべき数字はTT長ではなくリーチでした!リーチはどちらのフレームもほぼ同じ長さ

でも結局は現車合わせが確実とのことらしいのですが💦

(2021年11月12日追記および訂正)
私の説明不足の為、誤解がありましたら申し訳ありません。ここでばるさんが言われているのは、公表されているフレームジオメトリーの値と実測値の「ズレ」の話で、次の章のお話とは関係がありません。

スタック&リーチカリキュレーター

前述の公表値と実測値のズレとは別に、bistaraiさんからは更にこんなにマニアックな情報をご教示頂きました。フレームジオメトリーのヘッドチューブ角やスタックハイトの違いでステムのハンドルの位置(実際のサドルからハンドルまでのリーチ)が変わる場合があります。

その微妙な差異を計算するのにbistraiさんがお勧めしているのが↓のツール。使い方は↑のbistaraiさんのブログ記事に書いてあります。

Zoho Sheet
https://docs.zoho.com/sheet/published.do?rid=p2rrnf78b800f51254a4981208481abdf96a7

計算してみた

ちょっと難しいですが、早速使ってみました。メーカー公表のリーチはTD-01 AIRは388 mm、VANYARは385.4mmでしたが、果たしてこのカルキュレーターを使うと数字が変わるのでしょうか?

エクセルの左側のカルキュレーターはスタックとリーチが分からないときに計算してくれる奴ですね。青掛線の所に数値を入れろ、との事なのでとりあえず頭を使わずに機械的にジオメトリーの数字を入力します。ただ、フォーク長(前輪軸中心からヘッドチューブ下までの長さ)が分からないとダメなので、現車で実測しないとダメですね。VANYARのフォーク長の数字が分からないのでパス。

対してエクセルの右側のカルキュレーターはヘッドチューブの角度とスペーサーの厚みを含めた実際の使用条件に近いリーチとスタックを出してくれるので、こちらの方が重用しそうですね。

前提条件としまして、ハンドルのリーチが104mmの癖のあるエアロハンドルを使っていますので、TD-01 AIRではカーボン製の-17°の50mmのステムを使っていて、VANYARではTNIのHelium6の-6°の50mmのステムを使うかと考えています。ヘッドカバーも6mmの薄型を使おうかなと思っていました。

じゃん。出ました。おおー、これはかなり便利ですね。考慮すべきはヘッドチューブ角(HT角)なんですね。TD-01 AIRのHT角は72.3°、対してVANYARは73°。ということはTD-01 AIRはVANYARより寝ている(鋭角)のでスペーサの厚みを考慮した場合にはスペーサが―長くなればなるほど、TD-01 AIR場合は相対的にVANYARよりリーチがより短くなるという事なんですね。
逆に言えば、スペック上のリーチはVANYARの方が388mmにたして385mmと3mm短いのですが、VANYARの方がHT角がより立っている(鈍角)ので、スペーサーの厚みを考慮したリーチはより遠くなると。なので一番下のピンク網掛け線の"REACH WITH SPACERS + STEM"の数字の差は1.62mmとスペック上の差異より縮まるわけですね。面白い!

TD-01 AIRだとハンドル落差が9.5cmが限界で、もう少し落差が欲しいと思っていたので約-2cmは望むべき数字なのですが(ズイフト機は落差11.5cmにしてトレーニングしています)、実験の為に上の提案に従って、スペーサーを21mm足してみます。

すると、ヘッドチューブには角度が付いているのでスペーサーが長くなればなるほど自分に近づいてきます。すなわちリーチが短くなります。最初の例ではリーチの差は1.6mmと殆どありませんでしたが、スペーサーを21mm足したことによりリーチの差が7.76mmと10mmに近い数字=ステム一段回分の差になってしまいました。では、その分50mmのステムを60mmに変えたらどうなるでしょうか?

するとついに、スタックの差は-1mm、リーチの差は-2mmになりました。いやー、これは面白いですね。

今回はかなりマニアックな内容でしたがロードバイク買い替えの際には絶対便利なツールなのでぜひ使ってみてください。改めてBistaraiさんに感謝!Bistaraiさんのブログもぜひよろしくお願いします(番宣)↓

bistarai | 趣味の事をまったり綴っています。読書、ロードバイク、スポーツ、音楽、ブログ運用の事など
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ゆるりと雑多な事を綴趣味の雑記ブログ。ロードバイク、スポーツ、音楽、読書、ブログ運用の事など
https://bistarai.info/
筆者情報(初投稿時)

名前: てり~ Twitter @TerryRinRoadbik
年齢: 1985年産まれ36歳
身長: 176cm / 体重: 60~62kg / 体脂肪率: 9~11%
自転車歴: 2021年1月1日~
年間走行距離: 16,000~ km (2021年10月19日時点) (9割がズイフトです)
FTP: 243W / CTL 120~125

ライドスタイル: ズイフト、ロングライド、ファストラン、通勤、ヒルクライム
所有車両: CARERRA TD-01 AIR DISC (外乗り用) / TADA No. 74 (ズイフト用) / GARNEAU GARIBALDI G2R (通勤&グラベル)
大学卒業後、無職を経験。オーストラリア人の彼女(現妻)と国際結婚するために仕事だけを生きがいに頑張っていたら気が付けば30代も後半に「自分には何も無い人生」に失望し、一念発起して-27kgのダイエットに成功、その後ロードバイクに出会いロングライドの楽しさに目覚め、無謀にも「キャノンボーラー」を目指す。「今が人生で一番楽しい」「残りの人生で一番若いのは今日」をモットーに頑張っています。0歳と6歳男児のパパでもあります。
ファストラン記録:チバイチ523km 22時間26分 (2021年10月15日)
          東京湾イチ252km 13時間17分 (2021年7月22日